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■積層セラミックコンデンサの特性メモ

積層セラミックコンデンサ(MLCC)の特性については村田製作所ウェブサイトのコンデンサPLAZAに記載されています。それによると、高誘電率系MLCCは温度・時間経過・DCバイアス・AC電圧といった各条件により容量が変化してしまうということです。電源部分によく使われるMLCCですが、今回はハイパスフィルタ(HPF)・ローパスフィルタ(LPF)で使用し、さらにDCバイアス電圧をかけて特性を測定してみます。

10_191_1mlccp.jpg
今回使用したMLCCは高誘電率系の耐圧50V、F特性(JIS規格)のものです。たぶんEIA規格ではY5V特性に近いだろうと思います。実測値約94nFのもの2個を使いましたが、測定値はすぐ変動するためあまりあてになりません。比較用にフィルムコンデンサも準備しました。実測値はそれぞれ103nF、103nF、82nF(34nF+48nF並列)、82nFです。

▽回路図
10_191_2mlccs.gif
C1とC2を変更します。電圧は0V(GND)、4.5V、9Vの3パターンですが、フィルムコンデンサは電圧による容量変化がほとんどないので、0Vのみの測定です。電圧を変えてすぐは値が安定しないため、数分放置してから測定しました。PCの出力は約1Vrmsです。

▽結果
10_191_3mlcc.gif
<周波数特性>
0V、4.5Vの場合は103nFのフィルムコンデンサと比較すると高域側(LPF)で差がやや大きくなっています。9Vだと82nFのフィルムコンデンサよりズレていて、かなりの容量低下となるようです。X7R特性であればもっと容量変化は少なくなると思います。
<歪率>
バイアス電圧が高い方が歪率が悪化しています。低域は特に悪化していますが、もともとレベルが下がっている部分なので音への影響はそれほどないかもしれません。むしろ倍音が増えていい感じになるかもと思いMLCC10個直列や並列での測定もしてみましたが、歪率はほとんど変わりませんでした。

エフェクターに使うコンデンサとしてはやはりフィルムコンデンサが無難で、無理にMLCCを使う必要はないでしょう。一応省スペースで若干安いという利点はあるので、自分用のエフェクターには適宜使っていくと思います。

■コンデンサで音は変わるのか LPF・HPF編

他の測定でわかった通り、歪率や周波数特性の測定はあまり意味がない気がしますが、失敗例として記事にしていこうと思います。音の変化には歪率や周波数特性以外の何らかの特性が関係していて、それは結局自分の耳で確かめるしかないのだろうと思います。

ローパスフィルタ(LPF)、ハイパスフィルタ(HPF)回路でコンデンサの比較を行いました。コンデンサは以下の4種類です。
10_185_1capLHp.jpg
・Supertech Electronic 積層セラミックコンデンサ 実測値0.95μF 50V 温度特性:Y5V(1個10円)
・日本ケミコン SME 両極性アルミ電解コンデンサ 実測値1.03μF 50V 85℃(1個21円)
・Garrettcap GBQ メタライズドポリエステルフィルムコンデンサ 実測値1.0μF 100V(1個50円)
・Vishay/Roederstein MKT1817 メタライズドポリエステルフィルムコンデンサ 実測値1.03μF 63V(1個200円)

PCの入出力インピーダンスの影響を受けますので、回路は下図のようになります。カットオフ周波数が1kHzぐらいになるようにしました。PCの出力は約1Vrmsです。また、理想的なコンデンサでのLTspiceシミュレーションも行いました。
10_185_2capLHs.gif

▽LPF結果
10_185_3capLPF.gif
▽HPF結果
10_185_4capHPF
Garrettcapとシミュレーションとの周波数特性が全く重なりました。MKTはわずかにズレていますが、静電容量の違いのためだと思います。

積セラはやはり歪率が悪くなっていますが、周波数特性自体はそんなに問題ない感じです。高域がギザギザになっているのは、歪み成分のせいだと思います。

電解コンデンサも歪率が悪くなるのかと思っていましたが、大丈夫なようです(測定限界)。周波数特性はフィルムコンデンサと1dBぐらいズレていて、若干違った特性のように見えます。ただ電解コンデンサは普通のテスターだと容量測定誤差が大きくなるらしいので、測定値があまりあてにならないようです。

■コンデンサで音は変わるのか ギタートーン編

他の測定でわかった通り、歪率や周波数特性の測定はあまり意味がない気がしますが、失敗例として記事にしていこうと思います。音の変化には歪率や周波数特性以外の何らかの特性が関係していて、それは結局自分の耳で確かめるしかないのだろうと思います。

「擬似ギター出力」を使って、ギタートーンに使われるコンデンサの比較を行いました。コンデンサは以下の4種類です。
10_172_2capGTP.jpg
・東一電機 ビタミンQレプリカ オイルペーパーコンデンサ 1000V(1個600円?) 実測値0.0255μF
・Garrettaudio セラミックコンデンサ 50V(1個15円) 実測値0.0218μF
・(たぶん)ニッセイ電機 ポリエステルフィルムコンデンサ(1個10円) 実測値0.0239μF
・SBE Orange Drop 715P ポリプロピレンフィルムコンデンサ 600V(1個190円) 実測値0.0237μF

普通のギタートーン回路のように、下図の通り接続します。トーンポットは500kΩAカーブのものを想定して、フルの場合(抵抗値470kΩ)と3割ぐらいの場合(抵抗値22kΩ)で測定しました。
10_172_1capGTs.gif

▽音源 トーン3(22kΩ)
【1.wav】 【2.wav】 【3.wav】 【4.wav】
それぞれがどのコンデンサなのか、よかったらテストしてみてください。正解は、この記事の最後の方にあります。

▽結果1 ギタートーン10(470kΩ) ※今回から表計算ソフトで処理
10_172_3capGT10.gif
全く重なっています。歪率も特に違いはなさそうです。

▽結果2 ギタートーン3(22kΩ)
10_172_4capGT3.gif
静電容量の違いのせいだと思いますが、ビタミンQとセラミックは少しズレがあります。また、セラミックコンデンサでは歪率が悪化しています。

セラミックコンデンサとニッセイのコンデンサに下写真のフィルムコンデンサを並列に追加して、静電容量を約0.025μFに補正しました。
10_172_5capGTP2.jpg

▽結果3 ギタートーン3(22kΩ) 静電容量補正後
10_172_6capGT3h.gif
当たり前かもしれませんが、ほとんど重なりました。

音源の正解→こちら(それぞれの波形の画像です)
波形をよく見ると所々違っていますが、残念ながら私は違いを聴き取れませんでした……

■コンデンサーの自作

平行に金属板(極板)を並べ、電圧をかけると電荷(電気)が溜まります。これをコンデンサー(英語でキャパシター)といいます。回路図の記号では下図上側のように描きます。実際のコンデンサーはたいてい下図下側のように極板を丸めてあり、極板の間にフィルム等(誘電体)が挟まっています。これをマネしてコンデンサーを製作してみようという計画です。
14_93_1cap00.gif
今回は極板にアルミホイル、誘電体にサランラップを使います。ギターのトーン用に使えるよう目標とする容量は0.022μFです。

まず1.5cm×30cmのアルミホイルを2枚、それより広いサランラップを2枚用意します(下写真左側)。
そしてそれを交互に重ねて余った部分を切り取ります(下写真右側)。
14_93_2cap01.jpg
下の部分(巻き始め)はセロハンテープで固定するため、ラップ→アルミ→ラップ→アルミの順で重ねるとやりやすいです。できるだけ隙間に空気が入らない方がよいです。

これを裏返して(外側にアルミが露出するようにして)グルグル巻いていきます(下写真左側)。
円柱状にするというよりは平べったい感じでOKです。2枚のアルミホイル同士が触れてしまうとコンデンサーの役割を果たさないので気をつけます。下写真右側が完成したものです。
14_93_3cap02.jpg

巻き終わりは上下に極板(アルミ)が露出するようにします(下図参照)。端はセロハンテープで固定しています。
14_93_4cap03.gif

リード線取付と容量調整のため下写真上側のようなものを準備しました。両面スルーホール基板に単線を半田付けしたものです。まぁ電気を通さない硬いものなら何でもよいと思います。これを使って先ほど巻いた本体を挟み込みます(下写真下側)。
14_93_5cap04.jpg
ネジを締めれば容量が上がります。今回はキツめに締めて0.024μFぐらいになりました。
締めすぎるとショートしてしまう可能性がありますので注意が必要です。

パテで全体を固めて完成です(下写真)。結構大きいです。
14_93_6cap05.jpg
容量は湿度や経年変化で若干変わるかもしれません。もちろんアルミの面積を大きくすればもっと容量は上がります。一応DC9Vには耐えられるみたいなのでエフェクターにも使えるかもしれません。

ギターにとりつけてみたところ普通にトーンが効いています!
ギターに取り付けるコンデンサーにはいろいろと怪しげな評価が飛び交っていますが、自分で作ったコンデンサーがやはり一番!(な気がします)

---2012年4月29日追記---
サランラップ等が経年変化で容量が変わってしまうんじゃないかと思っていましたが、測定してみたところ0.024μFのままでした。意外と長い期間使えそうです。

---2016年11月2日追記---
容量が0.022μFに下がっていました。さすがに経年変化があるようです。

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